入門編5 【 不動産投資の利益とは? その1 】

不動産投資から得られる利益についてお話しします。

良く語られるのは、インカムゲイン(家賃収入)とキャピタルゲイン(売却益)です。
この2つが得られるから不動産は良い。

と言われていますが、実際はどうでしょうか?

今日はインカムゲイン(賃料収入)についてお話してみます。

それには、まず不動産の収支の構造について理解する事が鍵となります。
この構造を理解していませんと、儲かるどころか、最悪破綻の危機を迎える事になるのです。

運良く自分の代では大丈夫でも、次の相続に深刻な危機を迎える事も少なくありません。
(二代目経営者の悲劇)

それはなぜかと言うと、不動産のお金の流れが、賃料収入は利益の先取りに過ぎず、
後から後から、支出が追いかけてくる、という構造になっているからです。

(収入)

  1. 毎月入ってくる賃料収入
  2. 礼金(入居時のみ)
  3. 更新料(更新時のみ)

(支出)

  1. 広告宣伝費、原状回復リフォーム費用(入退去時)
  2. 管理上のランニングコスト:入居者管理費、ビルメンテナンス費(毎月)
  3. 保有税や保険(毎年)
  4. 建物や設備の長期目線の修繕(修繕時期の到来時)
  5. 所得税・住民税・法人税などの税金(毎年)

上記のように、賃料収入については、ほぼ固定で毎月入って来るのですが、
支出の時期や額が、その時になってみないとわからないという変動費が含まれていますね。

上記支出の1.4.5がそうです。

1については、
入居者が退去した時、そのままでは次の借り手が決まりづらいので、お部屋をリフォームします。
その費用および客付けの際に、業者に支払う広告宣伝費用。

4については、
建物の性能を維持するための、外壁や屋根などの大規模修繕と設備の更新・取り換えなども
含まれますので、20年・30年スパンで考えるとかなりの費用が必要となると思われます。

5については、
毎年の入居状況や、貸出の諸条件および上記の1.4も考慮すると、
毎月の所得が変動する為、その年によってぶれてきます。

要は、仮に毎月の収入は変わらなくても(実際はエリア、経年劣化、景気動向で大きく変動)、
支出の額が変わる為、手取額が安定しないという事なのです。

つまり、不動産の賃料収入を不労所得と看做す方も多いようですが、
このように手取り額が安定しない(大規模修繕などが発生した年は、
大赤字となり別の収入から補てんする事もあり得る。)状況が予想される事業は、

長期安定収入(リタイア)や年金代わり等への利用には向いていないという事なのです。

特に株式や外貨などと違って、インカムゲイン(家賃収入)が得られるので、
不動産はミドルリスク・ミドルリターンである

と言う説明を聞く機会も多いと思いますが、
このあたりの構造を理解していないと、ハイリスク・NOリターンと言う事もあり得るので、
ご注意頂いた方が良いでしょうね。